はじまりの物語

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すべては、「水の循環」を意識したことから始まりました。

10年ほど前、私は地下水の汚染や、水がどこから来てどこへ流れていくのかを考えるようになり、国土交通省の「水の里の旅コンテスト」に応募しました。その時の取材で、「水の問題は、見えないところで進んでいる」ことを知りました。それ以来、この問題を解決したいと思い始めましたが、これまでの当たり前を変えることの難しさに、半分あきらめかけていました。

そんな時、インバウンド事業の関係者に「海外のお客様を呼ぶためには、この農薬の問題を考えないといけないね」と言われ、その言葉が心の奥に深く刺さりました。当たり前のように続けていた農業のあり方が、実は水や海、森の循環を壊しているかもしれない―。その時、私は「もう一度、根本から考え直さなければ」と強く思いました。

そんな時に出会ったのが、今のパートナーでした。

彼は自然の力を信じ、除草剤を使わず、農薬や化学肥料も少しずつ減らしながら栽培を続けていました。その栽培方法を聞き、農業のかたちを変えることができるかもしれないと思いました。それまで頭の中で考えていた〈持続可能な農業〉が、ここでは日々の暮らしの中に息づいていました。この出会いが、私の中で「水の循環」への関心を「土」へとつなげる大きな転機になりました。

やがて、農薬や肥料、除草剤を使用しない農業を広げたいと思い、「みかりんぐプロジェクト」を二人で立ち上げたのが3年前。しかし、なかなか理解されるのは難しく、どうしたら新しい価値観を広げられるのかを試行錯誤していました。そんな時、海外の論文で「地球の土壌が劣化している」という事実を知りました。さらに、農業が炭素を放出していることを知り、「地球の未来を守るためには、農業そのもののかたちを変えなければならない」と強く感じました。そこから、環境再生型農業(リジェネラティブ農業)へと辿り着いたのです。

そして、さらに「バイオ炭」を土壌に投入することで、炭素を貯留しながら土壌を再生できることを知り、現在の構想へとつながっていきました。正しい情報を可視化して伝えることが必要だと感じ、生まれたのが「ねのわ」という形です。

水・土・森・人・文化―あらゆる生命の循環をつなぐ〈輪〉のかたち。

私たちは、人と自然のかかわり方を柑橘を通して現場で実践する役割と、人と自然のかかわり方をどう伝え、どう広げ、新たな価値を創っていくかを考える役割。それぞれの強みをいかしながら、二人で歩んでいます。

次の世代へ新たな道を切り開くために、
今、やっとスタートラインに立てたところです。

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